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心拍数で運動強度を計算 脂肪に45%

 06/20/2018   

あなたの運動の目的は 成果を感覚に頼るな

特集 有酸素運動へようこそ。

今回は、運動強度における『心拍(脈拍)数』に、焦点を当てて書いていきたい。

運動習慣がある方はもちろん、これから運動を始めたいと考えている方にも、

『つらい』や『らく』といった『感覚だけに』に頼るのではなく、

心拍数という具体的な数値を用いて『運動強度』をコントロールすることが重要だ。

『運動しているつもりなのに、なかなか結果に結びつかない』

『かなりきつい運動をしているのに、お腹の脂肪が落ちない』

『体力レベルがなかなか上がらない』

『運動の目的』は、人それぞれ。

あなたは『心臓に過度な負担』を、かけていないだろうか。

あなたは『自分の年齢・体力レベルに合わせた運動』にチャレンジできているだろうか。

あなたは『継続可能な運動』を取り入れているだろうか。

それを解決するための考え方が『心拍トレーニング』なのだ。

心拍数を意識することは 運動強度を意識すること

そもそも、心拍(脈拍)数は、運動の『成果』にどのような効果を表すのだろうか。

心拍数とは、一般的に『1分間』に、心臓が『拍動』する回数のことで、

心臓から血液が送り出され『動脈』に、拍動として現れたものが『脈拍数』であり『心拍数』である。

そして、不整脈等がない限り『脈拍数』と『心拍数』は、ほぼ同じとなる。

脈拍数は、運動強度に比例し、運動中の脈拍数が上昇すれば、運動強度も上昇することになる。

ゆえに『心拍数』をコントロールすることは『運動強度をコントロール』することになる。

60秒もあれば脈拍は落ち着いてしまう 心拍数(脈拍)の測り方

心拍数には、個人差があり、

加齢とともに、心拍数は少なくなっていく傾向にある。

心拍数を、正確に計測する場合には『心電図』や『心拍計』を用いるが、

一般的な計測方法は『時計を眺めながら』の簡易計測だ。

脈拍の測り方

脈拍の測り方

  • 頸動脈(けいどうみゃく/首・エラの下の部分)に、指を当てて、計測する方法
  • 橈骨動脈(とうこつどうみゃく/手首の親指側を通る)に、人差し指・中指・薬指を当てて計測する方法

特集 有酸素運動では、後者。

小学校でみんなが習った『手首』での計測をオススメしたい。

計測における注意

計測における注意点

  • 60秒もあれば、脈拍は落ち着いてしまう
  • 運動時または通常時は『20秒間計測』した『脈拍を3倍』に換算
  • 安静時は『仰向け』で『30秒間計測』した『脈拍を2倍』に換算
  • 『10秒間計測』した『脈拍を6倍』に換算する方法も

目標心拍数と運動強度の設定方法

運動強度と、目標とする心拍数『目標心拍数』には、密接な関係がある。

そして、年齢や目的に合わせて設定する必要がある。

例えば、

脂肪燃焼を目的として運動する場合で、年齢は『35歳』。

その場合『運動中に維持する心拍数はいくつ』で『何分程度の運動』をこなせば良いか。

といった具合だ。

・運動を始めたばかりの場合
・運動不足解消を目的とする場合
・脂肪燃焼を目的とする場合
・心肺機能強化を目的とする場合

 

目的によっても、年齢によっても、それは変わる。

運動強度の算出には『心拍数(脈拍数)』と『RPE(自覚的運動強度)』が用いられ、

全く運動習慣のない人と、アスリートでは、同じ運動をしても心拍数の上がり方は全く異なる。

算出される数値は、リハビリ・ダイエット・持久力強化など、目的によって変えることで、効率的なトレーニングが可能になるのだ。

自覚的運動強度(RPE)については『MET's と エクササイズ』とともに、別の記事で掘り下げているので、そちらを参考にして頂きたい。

RPE(自覚的運動強度)

※ スマートフォンで閲覧中の方へ。表は、画面を横にして頂くと見やすくなります。

※ 本記事では『ボルグ(Borg)スケール』における『12~16』に焦点を当てている。

ボルグ(Borg)スケール
カテゴリーレシオスケ-ル
強度(%)
心拍数(拍/分)
11
2
弱い
35.7
12
2.5
42.9
120
13
ややきつい
3
中程度
50.0
14
4
57.2
140
15
きつい
5
強い
64.3
16
6
71.5
160
17
かなりきつい
7
非常に強い
78.6

年齢・最大心拍数・安静時心拍数から算出される運動強度

運動強度の強さによって算出される『ターゲット心拍数』は、

年齢により異なる『最大心拍数(%HRmax, %MHR)』が要となる。

運動時の心拍数は、酸素摂取量とほぼ比例して増加することから、心拍数を用いることで運動強度を表すことができる。

運動強度は、最大心拍数に対する割合で表されることがほとんどで、

『心拍数が高いほど、高負荷の状態にある』と言える。

ゼロ・トゥ・ピーク法(Zero To Peak)

 

・パーセント年齢推定最大心拍数法(%年齢推定最大心拍数)
・APMHR法(Age Presumption Maximum Heart Rate)

とも呼ばれる。

ゼロ・トゥ・ピーク法の特徴

ゼロ・トゥ・ピーク法の特徴

  • 最もシンプルな方法
  • 年齢・運動強度に対して『どのくらいの強度で運動を行うか』を決定
  • この強度が、持久力(スタミナ)をつける上での基準となる

ターゲット心拍数の求め方

 

最大心拍数 = 220 - 年齢

ターゲット心拍数 = 最大心拍数 × 運動強度

 

ゼロ・トゥ・ピーク法で、ターゲット心拍数を求めよう

 

 

カルボーネン法(Karvonen Formula)

 

カルボーネン法の特徴

カルボーネン法の特徴

  • 『予備心拍数』という考え方
  • 最大心拍数と、安静時心拍数の差が『予備心拍数』
  • 心臓がどれだけ余分に動かせるかを示す指標
  • 一人一人の体力に沿った運動強度が設定可能
  • ゼロ・トゥ・ピーク法よりも少し複雑な計算式
  • 数値が低めに出る傾向があり、運動習慣のない方向け
  • 高齢者・体力レベルが低い方は、35~55%が目安
  • 高齢の方では安静時心拍数よりも低く出る場合がある
  • 既往歴や投薬状況などを加味しての設定が大切

安静時心拍数

安静時心拍数とは、朝、目覚めた時の1分間の心拍数であり、

男性の平均は60~70、女性で65~75程度。

アスリートの安静時心拍数は『少なく』。運動習慣のない人は『多い』。

安静時心拍数が、少ないことは、日常における心臓への負担が少なく、

1回の拍動で、多量の血液を送ることができ、心臓に余裕があると言える。

ターゲット心拍数の求め方

 

最大心拍数 = 220 - 年齢

ターゲット心拍数=(最大心拍数-安静時心拍数)×運動強度+安静時心拍数

 

カルボーネン法で、ターゲット心拍数を求めよう

 


 

カルボーネン法を用いるメリット

カルボーネン法を用いた場合、運動の成果による、心肺機能の向上を把握することができる。

ここでは一例として『心臓の予備力』について紹介したい。

有酸素能力の高い人ほど、安静時心拍数は『少なく』、1回の心拍で、送り出す血液量が多いことで、心拍回数は少なくなる。

例えば、

50歳・安静時心拍数 70 拍/分・運動開始前

220-50=170

(170-70)=100

 

50歳・安静時心拍数 60 拍/分・運動継続1年経過

220-50=170

(170-60)=110

 

1年間、運動を継続させたことにより、心臓の予備力が向上。『安静時心拍数』が『10 拍減少』。

つまり、予備心拍数の範囲である『閾値(いきち)』が『10 拍分広がった』ことになる。

最初はLSD 長く、ゆっくりで、距離を稼ぐ

カルボーネン法は、運動効果を把握できるバロメーターであり、

ゼロ・トゥ・ピーク法とは異なり『年齢・体力レベル』が考慮されている。

特集 有酸素運動では、カルボーネン法をオススメし、

あなたの生涯における『運動習慣の客観的な数値』として、役立てて頂きたい。

体力レベルを上げていくには

・運動習慣のない方は『身体を慣らすこと』が最優先

・運動に慣れていない方:カルボーネン法における『40~45% の運動強度』を目指す

・『40~45% の運動強度』は『LSDトレーニング』

・『LSD3つの要素(Long Slow Distance)』『ロング(長く)、スロー (ゆっくり)、デイスタンス(距離を)』

・運動不足解消を目指す方:カルボーネン法における『45% の運動強度』を目指す

・脂肪燃焼を目指す方:カルボーネン法における『45 ~ 70% の運動強度』を目指す

・心肺機能の強化を目指す方:カルボーネン法における『70% 以上の運動強度』を目指す

・レベルに慣れてきたら『2週間~1ヶ月のスパン』で『5~10% 程度の範囲内』で強度を上げていく

・一気にレベルを上げるのは危険で、怪我の元となる

脂肪燃焼を狙う 30歳・安静時心拍数が70拍/分

カルボーネン法
運動強度
目標心拍数(分)
無酸素運動ゾーン
85%以上
172~190(拍)
有酸素運動ゾーン
心肺強化
70~85%
154~172(拍)
脂肪燃焼
45~70%
124~154(拍)
ウォームアップゾーン
45%以下
~124(拍)

脂肪燃焼を狙う 40歳・安静時心拍数が70拍/分

カルボーネン法
運動強度
目標心拍数(分)
無酸素運動ゾーン
85%以上
163.5~180(拍)
有酸素運動ゾーン
心肺強化
70~85%
147~163.5(拍)
脂肪燃焼
45~70%
119.5~147(拍)
ウォームアップゾーン
45%以下
~119.5(拍)

脂肪燃焼を狙う 50歳・安静時心拍数が70拍/分

カルボーネン法
運動強度
目標心拍数(分)
無酸素運動ゾーン
85%以上
155~170(拍)
有酸素運動ゾーン
心肺強化
70~85%
140~155(拍)
脂肪燃焼
45~70%
115~140(拍)
ウォームアップゾーン
45%以下
~115(拍)

脂肪燃焼を狙う 60歳・安静時心拍数が70拍/分

カルボーネン法
運動強度
目標心拍数(分)
無酸素運動ゾーン
85%以上
146.5~160(拍)
有酸素運動ゾーン
心肺強化
70~85%
133~146.5(拍)
脂肪燃焼
45~70%
110.5~133(拍)
ウォームアップゾーン
45%以下
~110.5(拍)

30歳から60歳までの、10歳単位で表にした。

 

筋トレでは味わえない 有酸素運動だからこそ強化されるポイント

心臓の『拍出量』が増加

心臓は『心筋』という筋肉で作られ、負荷をかければ発達する。

・『心筋壁』の厚さが増す
・『左心室』の容積が増加

ことで『1回に送り出す血液量(拍出量)』が増加する。

ポンプの力が増すことで、ポンプの能力が向上。

これが『心拍数の低下』であり、日常生活時の心臓の負担が軽減される。これを『徐脈(じょみゃく)』という。

『赤血球』が増加

赤血球は『酸素』を運ぶ役割を持っている。

赤血球が増加すれば、大量の酸素を、毛細血管まで届けることができるようになる。

『毛細血管の量』が増加

『毛細血管』の『密度』が高くなり『細動脈の直径の大きさ』に変化が。

赤血球の働きも手伝って、血の巡り『血流』が改善され、全身の代謝が向上する。

如何だっただろうか。

運動を行う上での要である、運動強度と心拍数について書いてきた。

本記事が、あなたの『運動習慣』の羅針盤になれれば幸いだ。

Eye catching image by Simon Migaj(Italy)


一之瀬 公人 画像

一之瀬 公人

masahito ichinose

東京都江東区生まれ。現在は長野県南部在住。妻と息子の3人家族。

モノに対する好奇心が旺盛だったことから『MONO』で有名な雑誌の編集者となる。

広告代理店でクライアントのマーケティングを担当する。モーターショーやゲームショーのブース企画。Fからはじまるミントタブレットなど日本進出する外資企業の浸透戦略を担う。

夢だったニューヨークのクライスラービルを観るため渡米。(ゴジラとアルマゲドンで壊された)

アメリカ・カナダで働いたのち、ハトのマークのボディーソープで有名な外資系トイレタリー企業にヘッドハントされる。外資系ホテルを対象とした特殊部隊に所属。担当ホテルへの営業戦略、部隊全体のマーケティング戦略を担当。

先の経験を買われシティーホテルの支配人を任される。経営ノウハウを積みサラリーマンを卒業し独立。

これを期に、父の故郷である長野県に移住を決める。長野県で好きな地域は、松本市中心部と安曇野周辺。

結婚し長男を授かる。子育ての8割をこなし、厄年から脱却。第二の人生を本格的に歩み始める。

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